クトゥルフ神話TRPGの初めてのキーパーをすることになった。初めてなので、セッション前にどんな準備をすればいいのかわからない。
この記事は、そんな悩みを持つ駆け出しキーパーに向けて、社会人になってから毎月TRPGを遊んでいる管理人がいつもどのようにセッションに向けて準備しているかを紹介します。
これが絶対に正解ということはありませんが、参考になる部分だけでも取り入れてみてください。
ルールブックを読み込む
キーパーをする上で必須なのが公式のルールブック(略してルルブ)を読み込むことです。
TRPGは自由度の高い遊びですが、それゆえに一歩間違えれば無法地帯になりかねません。あくまで「ルールに従って自由に遊ぶ」ことが重要です。
特に、キーパーはゲームをコントロールする重要な役割を持っています。ルールを参加者に説明しなければならない場面も出てくるので、しっかり読み込みましょう。
「え、全てを丸暗記する必要があるの?」と思った方、心配はいりません。わからない時に「書いてある場所がわかる状態」を作ることができればOKです。
例えば、重要なルールが書いてあるページをすぐに参照できるよう付箋を貼っておく、など、工夫次第で当日が楽になりますよ!
なお、クトゥルフ神話TRPGのルールブックは新版(第7版)と旧版(第6版)が存在します。どちらを買ってもクトゥルフ神話TRPGを遊ぶことはできますが、特に理由がなければ新版の購入をおすすめします。
どちらを手元におくべきか悩む方は以下の記事でそれぞれのメリット・デメリットを比較しているのでご覧ください。
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【CoC】6版・7版どちらのルルブを買うべき? 違いを徹底比較
続きを見る
シナリオの準備
シナリオを選ぶ
次に遊びたいシナリオを選びましょう。魅力的なシナリオはたくさんありますが、初心者のうちは難易度の低いシナリオにするのが無難です。
初心者にオススメできるシナリオの特徴や、具体的にどのシナリオがオススメかについては以下の記事に記載しています。興味があればご覧ください。
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【クトゥルフ神話TRPG】初心者キーパー向けシナリオの4つの特徴
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【クトゥルフ神話TRPG】初心者キーパーにおすすめなシナリオ8選
続きを見る
シナリオを読み込む
シナリオが決まったら隅々まで読み込みます。
経験上、NPCの設定やシナリオの流れの理解が曖昧なまま本番を迎えてしまうと、セッション中にシナリオの矛盾が出てしまって手痛い思いをすることがあります。
そのため、私は自分の脳みそにシナリオをインストールするくらいの意識で読み込むようにしています。
後述する手元メモを作りながら読み込むと、シナリオの理解が促進されるのでオススメです。
手元メモを作る
シナリオを読みつつ、以下のようなポイントを抑えた自分専用メモをテキストとして用意しておくと、本番自信を持ってキーパリングできます。
- シナリオの流れをまとめたフローチャート(条件分岐などをまとめた図)を作っておく
- 出てくるNPC・神話生物の能力をすぐ参照できるようにメモする
- 出てくる呪文に必要なコストと効果をまとめておく
- シナリオに出てくるルールのうち、自分の中で理解が曖昧な部分をメモしてすぐ見れるようにしておく
- その他、本番を見据えてメモしておくべきことがあればメモしておく
必要に応じて改変する
シナリオを読んでいると「今の自分の実力ではこの部分をシナリオ通りに回せないな...」とか、「シナリオのこの部分の解釈が難しいな」と思う箇所が出てくるかもしれません。
そういった場合、自分が回しやすい形・納得しやすい形に多少シナリオを改変するのも方法の1つです。
シナリオの改変には賛否あるかもしれませんが、1番重要なのはその日集まったメンバーがTRPGを最大限楽しむこと。
より楽しむために必要だと思うなら、私は多少の改変はOKだと思っています。
注意
初心者のうちは改変の程度がわからずにやりすぎてしまうことも考えられるので、どうしても必要な場合のみ、最低限の改変をすることをオススメします。選んだのが大幅に改変しなければ回せないシナリオならば、選ぶシナリオ自体を見直すのも1つの方法です。
事前にシナリオ傾向を伝える
必ず伝えなければいけないものではありませんが、事前にシナリオの傾向を伝えておくとスムーズに進みます。
必須の技能、あれば役に立つかもしれない技能、推奨の職業、こんな探索者がいたら盛り上がるかも...などなど、シナリオの情報をある程度伝えることでプレイヤー側が自分の探索者(キャラクター)を作る参考にできます。
また、ロスト(キャラクターが死んでしまったりして2度と使えなくなること)の可能性が高いか低いかもあらかじめ伝えておくといいでしょう。
ロストの確率が高いと知らずに参加してお気に入りのキャラクターがロストしてしまうと、悲しんでしまうプレイヤーがいるかもしれません。
クトゥルフ神話はもともと無慈悲なモンだし、あえてロスト率を伝えない無慈悲なキーパー、僕は嫌いじゃない笑
みどーさん鬼畜...。ボクは思い入れのあるキャラはロストしたくないから、教えてくれると嬉しい派やわ
セッションツールの準備
(主にオンラインでのセッションで)Web上のセッションツールを使う場合はあらかじめ準備が必要になります。
利用する場合は、それぞれのマニュアルを見ながら事前準備をしておきましょう。
セッションツールには有名どころだと以下のようなものがあります。
※ 管理人が触ったことのあるもののみ記載しています
補足
見知った友人たちとオフラインでテーブルを囲んでやる場合、Webツールは不要です。
セッション本番の雰囲気作り
ここまででルールの読み込み・シナリオ選定・必要な情報の告知・ツールの準備と必要なことは一通り完了しています。
以下では、本番さらに盛り上がるための+αの工夫を紹介します。必ずやらなければいけないものではないので、不要な人は飛ばし読みしてください。
雰囲気の出る画像を用意する
当日、雰囲気の出る画像を画面に映し出しながらセッションを進めることで、より恐怖を感じてもらうことができます。
また、NPCの顔画像を無料のイラスト素材などで用意しておくだけで、プレイヤーがNPCに感じる愛着の度合いが大きく変わることもあります。
以下のようなサイトで無料の画像素材がたくさん手に入るので、時間に余裕があれば用意してみてもいいかもしれません。
※ 管理人がよく利用させていただいているサイトたちです
雰囲気の出るBGM・SEを用意する
音楽1つで場の雰囲気をガラッと変えることができます。
NPCがお茶目な一面を見せるシーンではポップな音楽を、神話生物が現れるシーンではホラーで神秘的な音楽を...と演出してあげると、プレイヤーの没入感が増すことでしょう。
以下のようなサイトで無料のBGMやSEを手に入れられるので、こちらも時間が許せば見てみるといいと思います。
※ 管理人がよく利用させていただいているサイトたちです
ひとことコメント
管理人の卓ではどのキーパーもセッションの雰囲気作りに余念がありません。BGMや画像にホラーな雰囲気のあるものを選んで気分を盛り上げてくれるので、当日のセッション中はガチで鳥肌が立つこともあります。
雰囲気の出る描写(文章)を用意する
クトゥルフ神話で最も盛り上がる部分といえば、神話生物や邪神の登場シーンですよね。
シナリオにもよりますが、神話生物や邪神の登場の様子はその禍々しさが伝わるようにしてプレイヤーに恐怖を感じてもらいたいものです。
シナリオに登場の描写が事細かに描かれている場合もあると思いますが、シナリオ次第ではあまり十分な描写がなかったりもします。
そんな時は、セッションをよりホラーに、より禍々しくするために自分で描写を考えてメモしておくのも有効だったりします。
管理人もよく自分で考えた描写をメモしてセッションに持ち込んでいます。
描写を考える際には、クトゥルフ神話TRPGのサプリメントである「マレウス・モンストロルム」をよく参照します。
サプリメントというのは、クトゥルフ神話TRPGの追加ルールや追加の神話生物・邪神などが描かれた本のことです。
「マレウス・モンストロルム」もその1つで、大量の神話生物・邪神の情報が書いてあるので、描写を考える際にとても重宝しています。
マレウス・モンストロルムについて、詳しくは以下の記事にまとめていますので、興味のある方はご覧ください。
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【クトゥルフ神話TRPGサプリメント】マレウス・モンストロルムの紹介
続きを見る
関連記事【クトゥルフ神話TRPG】ジャンル別おすすめサプリメント9選
セッション当日
いよいよセッション当日、あとは用意したシナリオを遊ぶだけです。
もし用意したシナリオをこんなふうに遊んで欲しい、などキーパー側の希望があれば、シナリオ開始前に伝えておくといいでしょう。
例えば、「このシナリオは積極的に行動しないと情報が手に入らないから積極的にロールプレイしてね」とか「このシナリオはどちらかというとシリアスなシナリオだから、できればロールプレイもシリアスに寄せて欲しいな」とかです。
キーパー側がプレイヤーにこのようなお願いをすることも賛否ありそうですが、せっかく用意したシナリオを1番楽しめる形で楽しんでもらいたいのが人情です。
伝えておくべきと思ったことは伝えちゃいましょう。
おわりに
この記事ではクトゥルフ神話TRPGの初心者キーパーに向けて、セッション前に準備しておくことを紹介しました。
こうして挙げてみると、キーパーがいかに大変かわかりますね。
でも、その分セッションが成功に終わったときの喜びはひとしおです。
皆さんのセッションが楽しくて禍々しいものでありますように。