この記事はクトゥルフ神話TRPG（CoC）のシナリオ集「探索者のDilemma.」に掲載されているシナリオを遊んでみた感想をまとめたものです。
シナリオの確信的なネタバレはしないように配慮していますが、あらすじや特徴を紹介するために頭の先っちょくらいは見えてしまうかもしれませんのでご容赦ください。
世の中のクトゥルフ神話TRPGのキーパーさんたちがシナリオを探す助けになれば幸いです。
クトゥルフ神話TRPGシナリオ集「探索者のDilemma.」とは
引用： 探索者のDilemma.【PDF版】クトゥルフ神話TRPGシナリオ集より
| 作者 | ギャラクティカファンブル様 |
| 掲載シナリオ数 | 5本 |
| 総ページ数 | 114ページ |
| 購入先 | PDF版 / 書籍版+PDF版 |
探索者のDilemma.」はクトゥルフ神話TRPGの有料のシナリオ集で、全部で5本のシナリオが掲載されています。
個人的にはどれも内容が濃く楽しめるシナリオで非常に満足でした！
以下の節でそれぞれのシナリオの簡単なあらすじ、特徴、そしてプレイしてみた感想を綴ります。
あくまで個人の感想ですが、購入を迷っている人の参考になればと思います。
シナリオ「夢の対価」の感想
| 推奨人数 | 3〜5人 |
| 所要時間 | 4〜5時間 |
※ シナリオに記載がないので「推奨人数」「所要時間」ともに管理人の独断と偏見で記載しています
あらすじ
ネットでとある噂が流れていました。
「国内のどこかで高額の商品が手に入るゲームが行われているらしい」
噂を確かめようと探索者たちがインターネットで調べているとそれらしいサイトを発見することができました。
冒険に参加して賞金で夢を叶えよう！
あなたは吸い込まれるようにエントリーフォームから参加を申し込みました...。
エントリーフォームから申し込んだ後は知らない部屋で目を覚ますパターンのクローズドシナリオです。
特徴としてはギミックが斬新。管理人は「風来のシレン」「トルネコの大冒険」のようなローグライクゲームを思い出しました。
そして、その特徴的なギミックと登場人物の設定のおかげで卓によって様々なエンディングを迎える可能性があるシナリオだと思っています。
すんなりクリアできたり、騙されたり、食い殺されたり、PVPしたり。無限の可能性が広がります。笑
卓の個性がそのまま結果に反映される...そんなワクワク感がこのシナリオを推せるポイントです。
ギミックの管理に頭の容量を割く必要があることと、PVPが発生する可能性もあることから、キーパリング難易度は少し高めかもしれません。
「高額の商品が手に入るゲーム」一体どんなゲームが行われるんやろ...
シナリオ「emotional 〜アイドルを救え〜」の感想
| 推奨人数 | 3〜5人 |
| 所要時間 | 4〜7時間 |
※ 「推奨人数」「所要時間」共にシナリオ公式のものです
あらすじ
探索者たちは知り合いのアイドル、大山田やゆよから相談があるとカフェに呼び出され「ライブを中止しろ」という予言について調べてほしいという依頼を受ける。
ライブが行われるのはその日の夕方、探索者たちはやよいのTwitterに届いたDMを手掛かりに探索を進めるが...。
全5つのシナリオの中で最も個性的なキャラが多く出てくるシティシナリオです。
内容としては、アイドルからの依頼を受けて謎の男から送られてきた「ライブを中止しないと大変なことになる」という予言の真相を解き明かすための探索です。
どのキャラも個性が強いのでキーパーとしてそれぞれ濃厚なキャラを演じるのが無茶苦茶楽しい！
プレイヤーのみんなもロールプレイを楽しんでくれて、終始笑顔のセッションになりました。
このシナリオ集に収録されているシナリオはどれも、キャラクターのイメージが掴みやすいようにサンプル会話を書いてくださっているので、ロールプレイが苦手なキーパーでも濃いキャラたちをおもしろおかしく表現できると思います。
ただ、シナリオギミックとNPCの性格もあってか、シナリオが進むごとに登場NPCとの会話がだんだん面倒になっていき、扱いがぞんざいになります。
濃いキャラたちへの扱いがひどくなっていく様がキーパー視点だとよりおもしろく写ってしまい、管理人も終始笑いっぱなしでした。
あーおもしろかった。
個人的には収録されているシナリオの中でもこのシナリオが1番好きだったかもしれないです。
ちなみにテンションMAXのプレイヤーと探索者たちが突飛な行動をしたせいで、キーパーはこのシナリオでめちゃくちゃアドリブすることになって大変だった。笑
シナリオ「Fearless」の感想
| 推奨人数 | 3〜5人 |
| 所要時間 | 2〜4時間 |
※ 「推奨人数」「所要時間」共にシナリオ公式のものです
あらすじ
ネット上のコミュニティで知り合い、怖がりのオフ会に集まった探索者たち。オフの帰り道に、同じく怖がりの女性小須田れなと出会う。
一週間後、探索者たちがれなと再開すると、そこには恐怖症を克服し明るくなったれながいた。しかしこの会合中にれなの様子が突然変わり...。
このシナリオではそれぞれの探索者が恐怖症を持った状態でシナリオに参加します。
恐怖症のリストはシナリオ側で用意してあり、その中から恐怖症を選択するのですが、クセがあってロールが楽しくなるような恐怖症が数多く用意されています。
シナリオに従って淡々と進行するというよりは、ロールプレイもりもりでお互いの恐怖心を刺激し合うプレイング（PVP的な）の方がはっちゃけて楽しめる印象です。
シナリオそのものよりも用意された恐怖心をいかんなく使って、ロールプレイでの殴り合いを楽しむシナリオ、と言ってもいいかもしれません。
人数を多めに集めてワイワイ楽しみたいシナリオや！
シナリオ「Life goes on 〜人生は続く〜」の感想
| 推奨人数 | 2〜4人 |
| 所要時間 | 4〜6時間 |
※ シナリオに記載がないので「推奨人数」「所要時間」ともに管理人の独断と偏見で記載しています
あらすじ
探索者は「橘ゆずか」という少女が、男に絡まれているところを助けて仲良くなる。
仲良くなった一行はゆずかの頼みでショッピングモールを探索することになるが、そこに怪しい男が現れて...。
始まりから終わりまでストーリー展開が個人的に大好きなシナリオ。
ネタバレになるからあまり言えないですが、「衝撃的な前半戦 / 心が苦しい後半戦」というイメージのシナリオだと思ってもらえるといいかなと思います。
最後には探索者たちが重大な決断を迫られる場面も。
参加者がはぜひ「自分の探索者ならどう思うか」を突き詰めて考えて欲しいです。
管理人の卓でこのシナリオを経験した探索者の中には、のちのシナリオに本シナリオの出来事を引きずるほど感情移入してくれたキャラクターもいました。
状況が状況だけに、胸が苦しくなる決断だったなぁ...。倫理観を試されるシナリオって感じでした。
シナリオ「Piece of Her Heart 〜心のかけら〜」の感想
| 推奨人数 | 2〜4人 |
| 所要時間 | 4〜6時間 |
※ シナリオに記載がないので「推奨人数」「所要時間」ともに管理人の独断と偏見で記載しています
あらすじ
「Life goes on 〜人生は続く〜」の事件から1年後、探索者たちは「橘ゆずか」と1年前に出会った公園にいた。
公園には偶然、1年前の事件で出会った記者も来ており、話の流れで彼の取材を手伝うことになる探索者たち。
その行先、とある医院にある桜の木したで、探索者は1人の少女を見つける。
その少女の姿は...。
こちらは「Life goes on 〜人生は続く〜」の続編シナリオです。
続きものなので感想を書こうにもネタバレになりそうなので多くは書けませんが、続きものだからこその描写が随所に散りばめられていて、「Life goes on 〜人生は続く〜」を心から楽しんだプレイヤーは2度美味しい思いをすることができそうです。
期間をあまり開けずに2つのシナリオを遊べるとより感動が深まると思います。
基本的には継続探索者で挑むことになると思うので、前作の事件から1年経って探索者たちはどう変わっているのかを考えるのも趣があって楽しいと思います。
僕は探索者がシナリオを経て感じる心境や生活の変化をロールに取り入れていくの結構好きなので、続きもののシナリオは楽しいです
まとめ： 5つのどれもが魅力的なシナリオでした
ギャラクティカファンブル様のBOOTH公式ページから引用
おもしろギミック・キャラの濃いNPC・迫られる決断とクトゥルフ神話TRPGを遊ぶ上でおもしろいシナリオの要素が随所に散らばったシナリオ集でした。
私の卓では定期的に「過去おもしろかったシナリオの思い出を語るタイム」があるのですが、「探索者のDilemma.」に掲載されているシナリオの名前は毎回必ず出てきます。
それくらい印象に残って思い出になるセッションができるシナリオ集です。
気になる方はぜひ遊んでみてください。